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サーブにおける腕の動きを改めて考える (テニス)

サーブ前後の状態

サーブを打つ際に腕の運動連鎖が重要

ナチュラルスピンサーブを学ぶ過程で、サーブを打つ際、ラケットを持つ利き腕は、「外旋・内旋」「回外・回内」の運動連鎖により強くスムーズにラケットを振ることができる、これらは「意図的に起こす」ものではない。ラケットを持つ手や腕に力を込めず正しい体の使い方を行えば自然発生的に起きるものだ ということを知りました。

鈴木貴男プロによる運動連鎖の解説

ただ、YouTubeにある海外のレッスン動画を見ると、スピンをかける意図からか「インパクト前後で前腕から肩にかけて捻り腕を伸ばすようにしてラケットを右方向に抜いていけ」という解説がとても目立ちます。(動画の中で鈴木貴男選手が最初に説明される「間違ったスイン軌道のイメージ」「スピンをかけたいからと背中から斜め上にラケットを持ち上げる形」に近い) 例えばですがこんな形

腕の運動方向がズレた動き

ピッチャーがボールを投げる動作はサーブの動作と共通点があると言われますが「ピッチャーが腕を振る方向はあくまでキャッチャーのミット(より厳密に言えばボールをリリースする方向、角度)に向かって」です。

山なりのカーブを投げるからといって体の動きとは関係なく腕だけをはるか上に向かって振り上げるようなことはしません。

そのような腕の振り方では強くボールを投げられないのは誰でも想像がつきますから。

ダルビッシュ投手のピッチング

サーブは回転をかけて打つもの

こちらも再確認ですが『サーブは回転をかけて打たないと入りません』。

以前計算した通り空気抵抗等諸条件を無視すれば、計算上180cmの身長があればフラットサーブはネットに触る位ぎりぎりで入ります。ただそこから20cmジャンプして(或いは身長200cmの人)打ってもネット上ではボール1個分上を通過するだけです。

身長2mあればサーブは入る?

身長2mあればサーブは入る?

2mの人が打ってもネットからボール1個分の空間(ネット上7cm位)を常に通さないと入らないサーブが妥当なはずもありません。

つまり180cm以下の身長の人が一生懸命ジャンプしてサーブを打っても確率は上がらない(むしろバランスが悪くなるかも)と言えます。

サーブにおいて回転をかけるのは「やる・やらない」ですらなく「どのようにかけるか」のみです。

また、ボールに回転をかけるには腕とラケットが1直線になる最高打点の手前でボールに触る必要があります。ラケットヘッドが下から持ち上がり、最高打点に達するまでの間で回転をかけるからです。ラケットヘッドが上を向いた最高打点で当っても回転はかけられません。回転のないサーブは入りませんからその点でも無理に打点を高くする意味はないです。

サーブはラケットが最高到達点に達する手前でボールに当たる

ラケット 頂点 ボールとの接触

前述の通り、サーブにおいて打点を高くしようと高くジャンプする意味がありませんが、ラケットを振る際に足や体で上向きの力をボールに伝えるのは意味はあると言えます。

それでもサーブのイメージに有りがちな「真上に飛ぶ」のではなく、ボールを打ち出す角度的には5~10度といった所かなと思います。(ストロークでネットの2倍の高さを通す際の打ち出し角度は計算上約5度でした。)

仮に “30度” で打ち出すとしても、“真上” にジャンプしては両者の“60度分の差” に何らかロスが生じるのは容易に推測できます。

ジャンプするなら高さのためではなくボールを打ち出す方向に力を伝えるためです。且つ想像よりその角度は高くないと考えられます。

サーブのインパクトは腕が一直線に伸びる?

また、雑誌等で選手のサーブ写真を見て「腕とラケットを1直線に伸ばすのがインパクトの形だ」と思ってしまいますが、ラケットヘッドが下から上がってきてインパクト後に結果的に伸びていると考える方が正しいはずです。

テニス 身体の仕組み テニス 身体の仕組み

伸びきった状態では腕は強く振れません。

ピッチャーも同様ですね。腕が振れなければスピードも回転量も上がりません。

注: 厚いグリップでのサーブは力が入る位置の関係上打点が前になるので腕が伸びた形でインパクトになりやすいはずです。逆にグリップが薄いと打点は体に近くなり、腕が伸びきる前、ラケットが上がり切る前にボールに触れる余地が大きくなるので回転もかけやすくなります。グリップが薄い方が回転をかけやすいと言われるのがそういう点だと思います。(厚いグリップでバックハンドスライスを打つと打点が前になり回転をかけようとしても力が入れにくいのと同じ。腕は体から離れるほど力を入れづらくなります。)

baseball pitcher

baseball pitcher

ピッチャーの投球を考えるなら、速いストレートが地面と水平方向に投げるとすれば、回転をかけるサーブはそれよりもやや上向きの角度にリリースする変化球のようなものです。その際も体の向きや角度はストレートとほぼ変わらず、やや顔や胸が上向きの角度になる位 (変えなくても投げられるけどその方が投げやすい位) かと思います。

つまり、「外旋・内旋」「回外・回内」の運動連鎖によりラケットを振ることを考えるなら、フラット系もスライス系もほぼ打ち方は同じ。変えるとすれば体の向きを打ち出す方向に向けるだけで大丈夫 なはずです。(フラットかスライスかではなく、正面から利き腕方向に無段階(1度単位)で角度をずらしていけます。)

「外旋・内旋」「回外・回内」の運動連鎖イメージ

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スピンサーブ等も考え方は同じです。

横方向及び上方向にスイングする必要がありますから、フラット系であれば正面、スライス系であれば斜め右(右利き)に向けていた体をベースラインと平行の横向き方向に向けて同じ振り方をするだけです。

スライス系でもやや斜め上に振りますが、打ち出す方向、角度に対して顔や肩、胸が向く方向をもう少しだけ上に向けてやれば上向きも十分だと思います。

プロではないので足を曲げたり背中を反ったりして苦労して上に振るのは大変ですしパワーロスもするでしょう。

ボールの回転量はラケットスピードが関係するので速くラケットを振れないフォームでは回転量も上がりません。

ナチュラルスピンサーブと3種類のサーブを打ち分けるのは考え方が違うのでどちらが正しいといった話はよくわかりませんが、体の向きやボールの当たり方を変えてやるだけで少しずつ無段階に球種を変えられ、ファーストとセカンドも1種類の打ち方をマスターできればいいのは私のように器用でない者にはわかりやすくていいです。

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