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ダブルスで前衛をやるのが怖い、どこに居ればいいのか分からない。 (テニス)

テニス ダブルスのポジション

ダブルスを教わる機会

私は競技者でもコーチでもないので、シングルスやダブルスのやり方、戦術的、技術的要素についてはよく知りませんが、ご多分にもれず練習ではダブルス形式のゲームばかりなので、ダブルスのやり方については色々調べたりしています。

Womens Doubles

たびたび書いていますが、テニススクールは「テニスを教わる所」ではなく、お金を払い「ボールを打つ機会を提供してもらう所」と考えたいです。

初心者から初めてボールを打つ方法を簡単に学んだら、それ以上は教わるのではなく自分でなんとかしないといつまで経ってもラリーを打ち合ったり、ゲームに参加して楽しんだりといった目標にたどりつけません。

ダブルスについても同様です。スクールは人数の都合もありゲーム形式でプレイする際はほぼ100%ダブルスの形です。実際、初級クラスくらいから雁行陣でのダブルスのやり方を教わります。

ダブルスのやり方をレッスンで教わるのは、前述の通り人数の問題、スクール以外でもテニスを楽しむ際はほぼダブルスであることなどもありますが、レッスンの終わりに生徒にゲーム形式でプレイさせることで、成果を確認させる、生徒に満足感を与えるという意図がると思います。

さて、スクールを含めダブルスを最初に習う際は雁行陣でのやり方を習います。

よく言われるのが「相手後衛がボールを打つ際は前(ネット近く)に移動、味方後衛がボールを打つ際は相手前衛の攻撃に備えて後ろに移動」という説明です。

ただ、これは「ダブルスには攻撃と守備の切り替えが起きる」ということを説明しているだけで移動の仕方を説明しているものではありません。

教わることの全てなのでそれがダブルスの動き方だと皆が考えてしまうことで混乱が起こります。「相手後衛が打つから前にいかないと」「味方後衛が打つから後ろに下がらないと」などと考えながら動いていても「実際のボールの打ち合いの中ではまったく追いつかない」「周りはボールを打っているのに自分は全然触れない」「ボールが飛び交う中で自分がどこに居ればいいのか分からない」「コーチに”そんな所に居たらスペースが空いてしまい攻撃されてしまう” と怒られる」といった事が起こります。

スクールで教わるこの「前後の動き」が使えるのは、後衛同士が山なりのものすごく遅いラリーを打ち合っている時のみです。

少し軌道が下がって相手前衛がポーチしてしまったら前衛である自分は全く触ることができずにポイントを取られてしまいます。

テニスの大前提は予測、ダブルスはそれに基づくポジション取り

まず、テニスをする際に必要なことは「予測」です。

観察と予測の習慣付け

あくまで計算上ですが時速130kmのボールはベースライン間を0.66秒で到達します。

130キロは0.66秒で到達

一方、我々人間の反応速度は速い人で0.2~0.3秒と聞きます。ボールが飛んでくるのを見てから準備を始めていたのでは「間に合わなくなる」のは当然です。

ダブルスの前衛ならもっと準備時間は短くなります。

「1度は返せたたけど相手の次の返球に対応できなかった。間に合わなかった」という事がよく起きるのは「構えた状態から1回目を打つ」のと「打ち終わって態勢を整えて構えて再び打つ」まででは準備時間が大きく違うからです。

テニスは相手ありきのスポーツですから、

「自分に都合のよいタイミングで打てる。構えた状態から打てる球出しのボールを打つ練習」をいくらしても「試合になると全然実力が出せない」

という事が続きますね。

都度予測をする習慣づけをしないとテニスはできないのですが、テニスを教わる際 “予測をする” ことを前提にテニスを教わることはありません。教わるのは”ボールを打つ方法や技術”の話です。

予め、相手がどのような球種のボールをどの位の速度でどのコースに打ってきそうか予測できた上で動きだすのと、相手が打ったボールが飛び始めてからコースや球種、速度を判断するのでは、動き出しが1秒以上変わってきます。

遅いラリーなら間に合うかもしれませんが予測ができていればボールの速度は関係なくなります。

その上で、ダブルスでは「予測」に基づく「ポジション取り」が必要となります。

ダブルスではコート上に4人居ます。雁行陣で自分は前衛、相手後衛がボールを打つとして、相手後衛がボールを打つ位置から、自分達側のコートに無理のない角度で入る角度を扇型で考え、それを中心から2分割します。半分が自分の担当、半分がパートナーの担当です。

テニス ダブルスのポジション

確率の低いストレートぎりぎりや極端に角度がついたコースは除外します。

この自分が担当すべき領域を “ゾーン” と呼んだりするそうです。

“ボールは前から飛んで来る” のですから  “真上からみたコート上の位置(コート上のどこに居るべきか?)”“空いたスペース(この場所にスペースができていまう)” 等と考えるのは意味がありません。

自分より後ろのボールに触ることはできないので、相手がボールを打つ位置と自分まで間の空間に責任を持つことです。(自分の頭の上を越すロブを打たれることもありますが相手に簡単にコースを狙ったロブを打たれてしまうのは自分達の配球に問題があるためです。)

図から分かる担当すべきゾーンと自分が居るべき場所

図を見れば分かるように、相手後衛がアウトせず安定的に入れられるコースは限られ、2分割できるの自分が担当する角度は案外広くないことが分かります。

予測に基づくポジション取りの話をしましたが、自分が前衛で相手後衛がボールを打つ際であれば、相手後衛に近づくほどボールが飛んで来る角度は狭くなるのが分かります。

角度が狭くなればそれだけボールに触りやすくなるということです。

ネットに近づけば攻撃しやすくなることはなんとなく分かっていてもどこに居ればいいのか分からなかった人も、相手後衛が打つコースを予測し、この扇型の角度を考え、その角度の中心線に沿ってできるだけ相手後衛に近づけばいいことが分かります。(ネットに近づくのではなく “相手後衛に近づく” のがポイントです。)

飛んで来るコースが予測できているので予め移動した場所でボールが飛んで来るのを待ち構えればいいだけです。

多少ボールが速くても飛んで来るコースが予測できてれいばそのボールをどう打つかまで考えて準備ができます。

味方後衛が打つ際も同様です。

味方後衛がボールを打つ際、後ろを見ないと味方後衛がどこの位置からどんなボールを打つか分からないと思いますが、前衛である自分が備えるべきは相手前衛の攻撃ですから、相手前衛の位置を見れば、相手前衛がボールを打った際、”自分が担当すべきコースの角度” が予測できます。

その際もできるだけ前に居る方がコースの角度は狭くなりますが、飛んできたボールを対処する時間がなくなってしまいますから、コートのどこに居るかではなく“相手前衛がポーチした際、相手との距離がこの位だったら反応できる” という距離を保つ位置に居ます。

飛んで来るコースも予測できていて相手との距離感が保てていれば、そこが前衛である自分が守備として居るべき場所です。「それがコートのどこか?」というのは関係ありません。

WOMENS DOUBLES_0973

ダブルスで自分が居るべき位置はコート上の位置や周りとの位置関係で決まるのではない

相手側の1人が今打とうとしているボールを予測し、それに基づいて自分が居るべき場所にポジションを移動します。

コート上の4人全員がポイントが終わるまでそれを継続していく中でゲームが構成されます。4人の動きは独立しており互いに連動したり影響を受けて動いている訳ではありません。

決して「相手後衛が打つから動く」「味方後衛が打つから動く」ではないのです。

パートナーとの位置関係が連動しないのでは? それぞれが動いたらスペースが空いてしまうのでは?といった懸念は不要です。

自分とパートナーが同じ前提条件を理解し、それぞれ自分が居るべき場所に移動すれば自然と2人の位置関係は正しく保たれる。

そういう形で成立するように研究されているわけです。

テニス ダブルスのポジション

その上でパートナー間でフォローすべき場面は、味方が予測を誤りポジションが違ってしまった場合、攻撃や守備のために本来居るべき場所から大きくズレてしまった場合などです。

その際も味方の位置から自分がフォローのため移動する場所を考えるのではなく、元々の相手がボールを打ってくるであろう角度の自分の担当角度が広くなるだけだと考える方が混乱がありません。

味方のポジションが違っていてスペースが空いてしまうと、ついそのスペースを埋める位置に動きたくたくなりますが、相手が打っくるコースの角度自体が広くなる訳ではないので、常にやっているのと同じ予測をすればいいはずです。

ここまでが基本になると思います。 

何となく日々やっているダブルスの姿

ダブルスの上達は技術と上達させることだと考える人が多いと思いますが、同じようなレベル達とダブルスをする際、多少ストロークが上手い、多少ボレーが上手いといった違いでは勝ち負けは決まりません。

また、ダブルスをプレイする際、今日はなんか調子がいい、今日はなんか調子が悪いといったことがあると思いますが、それは技術的な調子の良し悪しより「ゲームの流れに乗っているかどうか」が大きいと思います。

ラッキーと感じることもあるかもしれません。

ただ、自分とパートナー、予測に基づくポジション取りを理解しきちんとできていれば、好不調に左右されずにゲームを作ることができます。

これらを基本としてできることがダブルスの前提であり、できない人はその入口にすら立てていないということです。

これができて初めてボールを打つ、ボレーを打つ技術が得点差になってくるし、相手の裏を書くといった戦略面も必要になってきます。

ボールの打ち方といった情報とは異なりダブルスのやり方を教わる機会は多くはありません。

殆どの人は見聞きした情報を元に “自己流” でやっており、ダブルスのやり方やポイントを聞くと人によって言うことが異なってくるのはこのためです。

自分は周りよりダブルスが下手で迷惑をかける、色々教わっているけど皆言うことが違うので何が正しいのかよく分からないと悩んでいる方は、まずはこの「予測とそれに基づくポジション取り」ができるようになるだけで見違えてゲームに参加できるようになってくると思います。

自分よりボレーが上手い、ストロークが上手いといった差以上にこれがダブルスに参加して楽しめる要素になるはずです。

周りを見てもこれを理解して実践できている人は多くはないはずですから。

周りが知らなかったとしても自慢気に説明したりしないでください。

自己流でやっている人は自分なりの流儀があるはずです。まずは自分ができてダブルスのゲームに参加できることの方が大事です。

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