ホップマン・カップ開催
毎年この時期にオーストラリアのパースで開催されているのが男女混合の国別対抗戦『ホップマンカップ』です。
日本からは杉田祐一選手と大坂なおみ選手が出場し、30日にはフェデラー・ベンチッチ組とのダブルスをやってました。
大坂選手はダブルス経験が余りないのか、コンビネーションの動きが全然な感じですね。ベンチッチ選手もダブルス得意ではないと思いますが去年フェデラー選手と組んだ時よりもだいぶマシに見えます。
スコアは僅差ですが楽しみながらやってる感じでした。
因みに杉田選手はフェデラー選手と大阪選手はベンチッチ選手とシングルスをやって共に負けてます。
ダブルスを見ていると(大阪選手のフォローなど)なんとなく杉田選手はお疲れな感じもするでしょうか。
ブシャール選手のラケットがヘッドのラジカルに
ホップマン・カップに参加しているE・ブシャール選手ですが、ラケットがヘッドのラジカルに変わっています。
ブシャール選手と言えば、2013年にブレイクし、2014年にはウィンブルドン準優勝するなどバボラのアエロプロドライブを使ってライジング気味にガンガン打つスタイルが特徴的でした。
ところが2015年以降は極度の不調となり、転倒による後遺症など不運もあったのですが、コーチを変えたり、プレイスタイルを模索したりという感じがずっと続いています。
ラケットで言えば2016年以降はピュアドライブとアエロプロドライブを交互に使っていたりしていました。
今回、ヘッドに変更したのは不調の選手によくある気分転換を求めてが大きいと思いますし、バボラのサポートに不満を感じる部分もあるのだろうとも思います。
個人的な想像ですが、ウィルソンやヘッド等に比べれば、バボラのサポートは"ラケット本来の出来"が基本にあるのだろうと思います。ラケットが気に入れば全く問題なく使っていけるけど、選手個々の調子を引き出せるようなカスタマイズや要望を実現するための細かい製品化の能力はそれほどないのでは? という印象です。ナダル選手の不調が長かったのもそんな感じですし、バボラで好調の選手は契約時から好調な印象があります。(フェレール選手も結局ランキング下降でした。)
メーカーとしては新ピュアストライクでやや復調とは言え、ブシャール選手もバボラ契約よりもヘッドの方が魅力に感じたのかもしれません。不調の選手には渡りに舟でしょう。ヘッドも看板選手の成績が芳しくないので話題性からブシャール選手と契約するのもテコ入れになるという判断かもしれませんし。
ラインナップから言えば、アエロプロドライブやピュアドライブに近いのはエクストリームでしょうし、プレイスタイルから言えばインスティンクトではという感じですが、全米で優勝したスティーブンス選手と同じでオールランドタイプのラジカルなのは何かメーカー側の意図もあるのかなと思います。(本人は打ちやすさからでしょうか。)
ブシャール選手の復活はあるのか
個人的には難しいと思います。
2014年、共に好調からのランキング上昇をしていたハレプ選手と比較すれば現在の差はなるべくしたなった印象です。当時の成績から言えばブシャール選手の方が目立っていましたが、ブシャール選手は好調に乗った『イケイケな』攻撃的スタイル、小柄で戦略無しには周りと競っていけないハレプ選手とは元々から違っていたと思います。
翌年、周りから研究されたハレプ選手は結果が出づらくなりますが、プレイスタイルは変えることなく、サーブやフォアハンドなどボールの威力を上げ、読みから来るボールをとことん拾えるラリーなどでジワリジワリとランキングを上げて今やNo.1です。
不調に陥って以降のブシャール選手の練習を見ても相変わらずライジング気味でボールを打ちまくるスタイルです。
コーチが変わってもスタイルを見直す覚悟まではないのでしょう。しかも以前ほどスムーズさがなくぎこちなく見えてしまいます。
現時点で若手で言えばオスタペンコ選手が圧倒的な存在ですし、プリスコバ選手もパワーもあり試合を組み立てるタイプです。ガルシア選手やバンダウェイ選手も居ます。トップ10は以前とガラッと変わっていますが以前よりもむしろ層は厚くなっていると感じます。
個人的には、ブシャール選手のライジング打ちは本人のタイミング(及びボールの速度を出すため)のためで、フェデラー選手のように (女子で言うなら伊達選手のように) 相手の時間を奪うためのものではない気がします。現状で言えば自分でプレイスタイルの幅を狭めてしまっているのではないでしょうか。
お決まりの流れで言えば、ボレーを多用するようになったり、スライスを使うようになったりしたら指導としては末期かもしれません。まだ23歳ですが余程影響力のあるコーチでも付いてうまく方向転換できない限り厳しいでしょうか。復活するにしてもまだ数年はかかるだろうと思ってしまいます。
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