lond日記

思ったことを気まぐれに書きます。

ボレー・ストロークのテイクバックが大きい (テニス)

テイクバックが大きいことから来る問題点

ボールを飛ばし回転をかけるエネルギーはほぼラケット(ガット)からもたらされます。(後は追い風とか?)

ラケットの持つ運動エネルギーの大きさは『1/2 x ラケット重量 x ラケット速度 ^2 (2乗)』で計算されます。ラケット重量は固定なのでラケット速度が速い程、2乗で運動エネルギーは増えていきます。

ただ、伝わる運動エネルギーは全体の一部で必ず伝達ロスが生まれます。

正確に当たらない、回転をかけようとカスれた当たりになる等の他、ラケットやガットのしなる、ゆがむ、たわむも伝達ロスです。

(ラケットは飛ぶ(+)・飛ばない(-)ではなく、ロス(-だけ)の大小が飛びに反映。しなるラケットはロスが大きいから同じように飛ばすにはラケット速度を上げる必要がある。ただし、一定以上のラケット速度が出せばロスは問題でなくなるのでトッププロは"飛ばない"ラケット・古いモデルをよく使っている。)

動画: サーブのインパクト

テニスの指導では「スイングが大きければボールは飛ぶ。スイングが小さければ飛びが弱くなる。」と言われますが、運動エネルギーの大きさを決める"ラケット速度はインパクト時の速度"です。

スイングの大きさが100cmだろうが30cmだろうがインパクト時に120km/hならエネルギー量は同じなのは理解できるでしょう。(100m先から加速させても同じ事)

スイングの大きさを言うこの説明をより的確に言うと「長く動かす方が加速のための距離が取りやすい。大きく振れば飛ぶと考える方がわかりやすい。」と言った所でしょうか。

初心者の方に「30cmのスイングでもラケット速度を出せば同じように飛ぶ」と言っても実感がわかないのでボールを飛ばそうと一生懸命『腕の力で』ラケットを振ろうとされますね。実際には、足で地面を踏む作用・反作用の力、身体を捻り戻す力。それと腕でラケットを引く力を連動させて体全体でラケット加速を得る方が効率的ですし、速度を上げることも容易になります。また、そこまでの理解を持っていたとしても、強くボールを打ちたい、強いボールに打ち負けないようにと咄嗟に考えた時、人は大きなテイクバックを取ってしまいます。

ボールの位置までラケットを100cm動かして当てる事と30cm動かして当てる事を考えれば後者の方が"断然当てやすい"のは試さずとも分かりますね。

テイクバックを大きく取りスイングを大きくするということは準備+スイングにより時間がかかるということ。振り遅れる原因になり得ます。時間がかかる分、より速い判断や準備が出来なければ自分が困ります。前述の通り、大きなスイングをしても強いボールが打てる訳でもありませんからね。

 

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テイクバックをコンパクトにする?

ボレーやストロークでテイクバックが大きいと感じられる人が居た場合、その人になされるアドバイスはそのものズバリで「テイクバックをコンパクトにしろ」です。

テイクバックの位置を示され、これ以上はラケットを引くなと言われますが、殆どの場合それでは直らないです。コンパクトな位置にテイクバックをしてもそこから"2度引き"して結局変わらないという事はよくあります。

テニスに限らず、ある事象に対し、その事象が発生する原因を考える知識がない場合、人は「目に見える事象をそのまま口にする」という行動を取ります。(「肘が下がっている」「手打ちだ」「身体が反っている」「身体が前のめりだ」等々)

「肘が下がっているから肘を上げろ」と言われますが、何かそうなる理由があるから肘が下がっている訳でそれを理解させず「肘を上げろ」と言っても効果的に直るはずもありません。

テイクバックが大きいという事象を改善するためには「コンパクトなテイクバックでも十分ボールが飛ばせる且つより正確に打てるようになる」という事を実感させた上で「今の打ち方から自然とテイクバックをコンパクトに出来る方法をアドバイスする」ことでしょうか。

見た目の"形"を直すのではなく、身体の使い方から自然とそうなるのが望ましいと思います。

テイクバックが大きいとは

テイクバックが大きい状態を考えれば一つは「ラケット及び手で持つグリップの位置がラケットを持つ利き腕肩から遠い状態」と言えるでしょうか。

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ボレーにおけるテイクバックが大きいはちょっと難しいですね。腕を伸ばしラケットを遠くまで届かせて遠いボールを打つことはよくあります。

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強いて言えば「積極的にスイングしない分、飛んでくるボールのエネルギーをラケット面で支える必要がある。腕、手、ラケットが利き腕肩の前、一定の範囲内に収まっている状態」でしょうか。ラケットを持つ手や腕が肩の横を通り過ぎて背中側に出てしまう程であれば「引きすぎ」でしょう。 勢い余って大きく振りかぶって打とうとするケースは多いです。

肩・腕・手・ラケットがこの範囲内に収まるようにボレーの準備をするのなら、フォアハンドのように身体を捻じるか、スタンスから横向きを取れば、肩と腕の位置関係を崩す必要がありません。

ただ、速い速度で飛んでくるボールのエネルギーを支えるには利き腕肩は身体の前側に位置しておくのが望ましいので、こういう打ち方をするならボールは速くない状況、腕ではなく足を使って物理的にラケットを前進 (加速) させて距離を飛ばす必要がありますね。上の図を見ればそういう打ち方のボレーです。

速いボールをボレーするなら正面向きに近い状態で、利き腕肩の前の一定範囲に腕・手・ラケットが有る状態で打つのが目的に合っていると考えられます。ボールが速いのでその反発だけで必要な距離が飛ばせます。自身で積極的にラケットを加速させて飛ばすエネルギーを発生される必要がないです。

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フォアとは逆に、バックハンドは準備段階から利き腕肩は身体の前側にあり、その位置は変わることはないので自然とテイクバックはフォア側よりも小さくなります。

腕にある肩・肘・手首・指の各関節は身体の外側から内側の方が柔軟に曲がりますし、スイングにより肩の位置が大きく動かせるので、ボールのバウンドが予測と多少のズレが生じても、フォア側の方が調整をしやすいです。ストロークでフォアが得意、バックが苦手な方が多いのはこの点も大きく関係しています。

バック側は、ボールを捉えらる位置、力の入りやすい位置の柔軟さがフォア側程ないので足を使ってボールが飛んでくる前に十分な位置まで移動する必要があります。

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テイクバックの段階から利き腕肩が身体の前側にあるという点で、ストロークにおけるバックハンドはフォアのように利き腕肩の位置を前に出す必要がないので、テイクバックやスイングで身体を大きく捻る、積極的に回転させる必要がないです。ラケット速度が上がらなくなり、正確に当てづらくなります。

初心者の肩は背中側からラケットが見える位身体を捻ってバックハンドのテイクバックを取ったりしますね。大きく振らないとボールが飛ばない気がするからでしょうが、繰り返しますが、インパクト時のラケット速度をスムーズに出すことが重要で、スイングの大きさは別の事柄です。 

 

 

 

身体を捻る・横向きを取るだけで必要なテイクバックの大きさは確保できる

一つは「構えの位置から、身体を捻る、横向きを取るだけで必要なテイクバックの大きさが確保できる」という点を理解することでしょうか。 

この2つの図、利き腕肩と右肘の位置関係は殆ど変わっていないですね。

右利きなら身体を捻り、ラケットを支える左手を離した段階で右手は自然と伸びて離れていっても構いませんが、あくまで身体を捻った動作の延長線でのもの。腕でラケットを引いている、動かしている意識は力みや不安定さに繋がります。

振り出し時の動き出しのスムーズさのため、一瞬ですがテイクバックではしっかりと止まった状態を作りたいです。( "身体を止まてしまう停止" ではなく、捻りを戻す切替えのための"間" )

ラケットには慣性の法則が働く

テイクバックで停止したラケットには慣性の法則が働くので、スイングを開始した際にラケットはその場に留まろうとし、ラケットを引く手はその留まろうとするその力にスイング方向と逆向きに引っ張られ、腕の筋肉が伸長(引き伸ばされる)します。

ラケットが留まろうとする力より引く力の方が強いのでラケットはスイング方向に動き出しますが、この筋肉の伸長(伸張反射)がスイング初期の加速、及び腕が外側に捻られる動きに対する戻る動き(内側にひねり戻される動き)がスピンの発生に必要だと考えます。

サーブでもコツとして"プロネーション"が言われますが、腕がニュートラルにある状態から意図的に内側に捻る動作(プロネーション)を加えても強い力は発生しません。

眼の前で腕を捻ってみればわかります。

慣性の法則で留まろうとするラケットに腕が引っ張られる、外側に捻れる、その反動で腕の関節が内側に曲がっていく・捻れる動作に自然と繋がるものです。

 

人の身体の機能はよく出来ているので、リラックス(≒脱力)状態で自然と発生するその動きを邪魔せず十分機能させることがテニスでも大事だと思います。

フェデラー選手の練習風景 

「まず横向きを作る」の弊害

初心者がストロークやボレーを習う際、最初に"スタンス・身体の両方を横向きにしたテイクバックの形"を作らされます。

これが「ボールを追う際はまずボールに対してまず横向きを作る」という深い意識が根付かせます。ボールを打つ準備のタイミングが分からない、準備が遅い方に向けて「速く横向きを作れ」と指導もされます。

ただ、飛んでくるボールを見て横向きを作っても、ボールを追いかけ、実際に打つ準備をする際に"腕でもう一度ラケットを引く"という動作になります。当然ですね。形は作れていても、筋肉や関節が固定したままの状態では、再び動き出すには"きっかけ"が必要です。横向きのテイクバックをとった状態のまま忍者のように小走りに走っても速くは走れません。

また、ボレーで正面に近い位置にボールが飛んできた際、構えの状態から正面を向いたまま腕でラケットを前に差し出してボールにぶつけようとしますよね。「横向きで準備する」という意識はどこかに飛んでいってしまっています。

指導が実際にボールを打つことに結びついていない、横向きを作るということと実際に準備をするということが結びついて理解されていないためだと思います。

 

 

 

テイクバックをコンパクトにするには

手や腕を主体に"ラケットを引く"ことでテイクバックを行う状態から身体の捻りや横向きを作ることで(手や腕で引かなくても)テイクバックは完了するという意識に変える方が望ましいですが、それまでのテイクバックとの感覚的なズレ、ボールを強く打とうとする咄嗟の行動の中で無意識にでもテイクバックを大きく取ってしまうということは起きます。

これを"修正"する方法はこれまで考えてきた内容から導きだせます。

※これは"修正"です。"修正"とは出来ている方が不具合を元の状態に戻すこと。出来ていない人は"改善"、まず望ましい状態にできるように自分の状態を正しく理解し考えるべきです。テニスを続けていると思ってしまう「自分は出来ているから少し直せばもっと良くなるはずだ」という自己肯定は上達の足を引っ張ります。"自分が出来ていない事を認識すること"が上達のは始まりです。これまで考えてきた内容は改善に繋がると思います。

・テイクバックが大きいとはラケット及び手で持つグリップの位置がラケットを持つ利き腕肩から遠い状態

・構えの状態から身体を捻る、横向きを作るだけでテイクバックは完了できる

とすれば

「構えの位置で身体からラケットを離し過ぎない。その状態から身体を捻る、横向きを作れば、手やグリップの位置は身体から離れていかない。」

と考えることができます。

初心者の方だと構えの状態でラケットを高く構える、軽く腕を伸ばすように構える事が多いと思います。

高い位置から下ろす方が楽、下ろす弾みで準備もしやすいというわかり易さがあるでしょうし、ボレー等への反応から「ラケットを下げて構えるな」と指導される事もあると思います。 

ただ、構えにおけて手やグリップの位置を身体から遠い位置に置いた場合、テイクバックを取った際のラケットの位置はそのまま身体から遠い位置になるのは必然です。

そのまま、腕は大きく動かしやすくなり、テイクバックも大きくなるという流れが起きると考えます。

トッププロの練習風景を見てみると手とグリップの位置はおへその前辺り、グリップエンド部分をかなり身体に近い位置に置いている選手が多い事が分かります。ラケットは垂直ではなくバック側にやや傾ける。結果、グリップエンドは利き腕側の腰の前辺り)

フェデラー選手の練習風景 

ジョコビッチ選手の練習風景

普段の自分のテイクバックを考えればおへその前にグリップがある状態からだとテイクバックまで大きくラケットを動かさないといけないように感じるかもしれませんが、「身体を捻る・横向きを取るだけでテイクバックが完了する」という事を考えれば身体に近い位置にグリップがあるのは問題になりません。グリップがおへその前にあれば身体を捻ってもその位置は変わりませんからね。身体を捻る・横向きを取る段階で自然と軽く腕を伸びることを含めてのこの位置なのだと思います。手や腕でラケットを引くことでテイクバックをすると考えるのとは根本が違うということです。

また、前述した、飛んでくるボールのエネルギーをラケット面で支える(反発させる)際、ラケットを持つ手・腕・ラケットの位置関係は利き腕肩から一定の角度・距離の中に収めるべきという話とも繋がります。何かを押したり支えたりする際、両手がおへその前(肩の前)にあれば力が入りやすいのは想像が付きます。

※単に「構えの状態でグリップエンド部をおへそ近くに置け」なのではないのは分かりますよね。肩や腕・ラケットの位置関係、身体の捻り戻しや横向き、物理面からラケットに発生する力、腕や身体の機能等々が関係した理解が重要です。

ラケットを持つ手と身体の位置関係については、先日、ソフトバンクホークスの内川選手がインタビューに答えられている動画があります。

トクサンTV @ヤフオクドーム

ボールを身体に近い位置で打てている (バットが身体から離れていくとボールに当たる確率、前に飛ばせる可能性が減る) 理由を聞かれ、「コツという訳ではないが、常におへその前に手とバットがある状態を考えれば、身体が回転して、どの向きになってもその位置関係は変わらない。スイングで力を込める必要はなく、軽く振ってもボールは遠くまで飛んでいくようになった。」と話されていました。

フォアハンドストロークで言えば、ラケットを加速させる距離を設けるために身体を捻る等して身体の横向きを作り、利き腕肩の位置を一旦身体の後方に下げます。 

加速のための距離を設けるのは肩支点で腕全体を引き下げるようにして回転をかけ、ラケット速度を上げなくてもボールが飛ばせるスライスに対し、フラット・スピン系ではラケットを飛ばしたい方向・角度に速い速度で進めていかないと十分にボールを飛ばせないためです。 

身体の捻り戻しや横向きを作ることで利き腕肩の位置を一旦下げる。ここからボールを打つための利き腕肩を身体の前側に戻す必要がある (力の入りやすい利き腕肩・腕・手・ラケットの位置関係) 訳ですがこれには"身体の回転"を伴います。

スポーツの世界では「遠心力で打つ」等と言われますが物理学的に言えば遠心力という力はないそうです。慣性の法則で直進を続けようとするラケットを人が手で身体の方向(円の中心)に引っ張ってその進行方向を曲げようとする。結果、手で引く力と反対向きの外側に引っ張る力が発生しているように感じるものです。

ボールを飛ばし回転をかけるのはあくまでラケットが前進しようとする力です。

スイング動作の中で身体は回転させていますがラケットはボールを飛ばしたい方向・角度に向けて可能な限り直進させる方が望ましいと言えます。インパクトの0.003~0.005秒を人が認識することは不可能ですし、「打点」と空中の1点のように教わるボールとラケットが接する状態も120km/hでスイングするなら0.004秒として13cm程の幅でボールとラケットは接触している計算になります。

トッププロがストロークを打っている様子を見れば、横向きを取った際の前側の足のつま先 (右利きなら左足のつま先)は完全にボールを打った後にネット方向に向く (打ち終わるまでは横方向・打点方向を維持している) のが分かります。 

ズベレフ選手

 ジョコビッチ選手

いずれも完全にボールを打つ動作が終わった後に左足のつま先が「クイッと」向きを変えるのが分かりますね。

"身体の回転"でラケットを強く振る・ボールを強く打とうという意識が強い人は多いです。グリップが厚いと打点は前(ネット方向)になりますから、回転してきた身体が完全にネット方向を向いている段階でもまだラケットとボールが接触していない打ち方の方も居ます。

昔はこういう打ち方をするクレーが得意な選手が居ましたが速く強いボールの打ち合いが必要な現代テニスでは通用しなくなっています。我々レベルで言えば「身体の開きが速い」と言われるでしょうか。

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フラット・スピンに必要なラケットの進む方向性と加速のため横向きから身体を回転させる中でスイングをしますが、ボールを飛ばし・回転をかけるのは慣性の法則で直進を続けようとするラケットの動き、身体の回転の円軌道の中ではなく、身体は回転させつつもラケットは直進に近い動きをする方が目的に合っています。

30年以上前はスピンをかけず薄いグリップで打っていましたが、主に肩の可動や腕の曲げ伸ばしでラケットを直進させて打っていました。

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これではラケット速度は上がらずスピンもかけづらいので、身体の回転と足の力と腕の機能を連動、グリップも厚くして打つようになりました。でも、"ラケットを直進させる"という部分は変わらない訳です。

 現代のトッププロのスイングを見てもインパクト前後ではラケット面はボール方向・ボールを飛ばしたい方向に長く向き続けています。決して身体の回転・円軌道の中、ラケット面の向きがあちこち変わる中で打ってはいません。(ラケット速度が速いのでそれでは正確にボールを捉えられませんし。)

モンフィス選手の練習風景

その中でつま先がボールを捉える目標地点である打点方向を向き続けている (インパクト前につま先がネット方向を向かない = 膝や腰が開かない) のはインパクトにエネルギーを集中させるために必要なことだと考えられます。内川選手のグリップとおへその位置の関係、テニスにおけるスイングとも関連してきますね。

 

 

 

構えの位置を低く取れればテイクバックの位置も低くなる

手や腕で引くのではなく、身体を捻る、横向きを取ることでテイクバックを取るので、構えの状態でのグリップの位置がそのままテイクバックのグリップの高さに反映されます。(身体の軸に対しグリップ位置が水平方向に回転していく)

これらはコンパクトなテイクバックのように言われますが、ボール速度が速い現代的なテニス、ライジングやハーフバンド、よりネットに近い位置でボールを打つことが求められる中、大きくテイクバックを取って居ては間に合わない状況も多いです。

昔と違い、身体の捻り戻し、足で地面を踏むことで得られる反力(作用・反作用の力)と腕の引きを連動させてスイングの加速を得る打ち方であれば、腕を大きく動かしてラケットを振る (≒ テイクバックを大きく取る) 意味は小さく、マイナスとなる部分も大きいです。

スピンをかけるにはラケットがボールの下側から上側に抜けていくことが重要となりますがテイクバックで高い位置にラケットを位置させるとそこからラケットを下げる必要があります。

プロ選手はラケット速度が十分速いのでインパクト前後のスイング軌道は平行に近くなります。速いボールを打つためラケットは飛ばしたい方向に速く振る。ラケット速度が十分速いので僅かなラケットの持ち上げで十分な回転がかかるからです。

ボール速度と回転はラケットの持つ運動エネルギーから反比例的に分配されるので、ラケット速度が遅い場合、スピンをかけるにはより下から上に振る。ラケットの持つ運動エネルギーを"前進"ではなく"回転"に割り振る必要があります。

速いボールを打ち合うため準備に時間を取れない、高い位置からラケットヘッドを下げて降り出す時間がない、スイングも平行方向に振っていくので、構えの段階から高く内位置にグリップ位置を持ってくれば、身体を捻じればその位置から降り始めることができるという具合です。

現代的なテニスに見られるポイントは意味を持って連携している

話が色々飛んでしまいましたが、ボールを打つ過程でのそれぞれの"形" (テイクバック、ラケットダウン、インパクト、フォロースルー等) を確認することを手段としている我々の練習に対し、プロ選手がやっていることは全て意味を持ち、それぞれが繋がっているという違いがあります。

過程におけるそれぞれの形を個別に考えることで「構えでラケットを高く構えてもテイクバックで下げればいい」「テイクバックする際にその大きさを小さくすればいい」という思考になります。最初から意味を持ちそれぞれが繋がった中で自然とテイクバックが小さく、低く取れるのが良いはずです。

「構えの段階でグリップ位置を低く取る」という点だけ抜き出すと異論が出てくることでしょうが、身体を捻ってテイクバックをする、足で地面を踏み、捻りを戻すことでスイングをする等が繋がってくることでその意味が出てきます。

問題点として「テイクバックを小さくするには?」に対する対処ではないのですが、プロ選手のような現代的なテニスを目指すのであれば色々な面を含め総合的に考ええみる意味はあると考えます。